マインドフルネスの立役者による禅の入門書 ベトナムの禅僧ティック・ナット・ハン 『禅への鍵 』は良い本だった。まず白くてシンプルな装丁が良い。タイトルが良い。作者のティック・ナット・ハンが良い。翻訳者の藤田一照が良い。そ…
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十牛図とは何か
十牛図とは何か 十牛図は、仏教、禅において悟りに至る10の段階を示した(と言われている)10枚の絵です。 作者は中国北宋時代の臨濟宗禅僧、廓庵(かくあん)。 今回は趣向を変えて、文章ではなくスライドシェアです。
『出現する未来 Presence』を読む
過程を書き残す価値 西洋の知性が東洋の知から学ぶ この『出現する未来 』は『学習する組織――システム思考で未来を創造する』のピーター・センゲ、『U理論――過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術』のオッ…
鈴木大拙『禅学入門』を読んで座る
禅とは何か? 禅とは何かを知りたくて、鈴木大拙『禅学入門 (講談社学術文庫)』を手にとったのは2年前のことだ。 しかし、わからないのだろうなあ、という諦めが読む前からあった。それは禅に「不立文字(ふりゅうもんじ)」という…
『空の思想史』を読む -否定からの再生を信じるアンラーニング・自己組織化としての空-
空とは何か? 空の移り変わり 立川武蔵『空の思想史 原始仏教から日本近代へ (講談社学術文庫)』は、ヒンドゥー哲学、インド仏教、チベット仏教、中国仏教、そして日本仏教へ「空」の思想がどう移り変わってきたかという本だ。とて…
井筒俊彦『意識の形而上学』を読みながら鎌倉大仏に会いに行く
いざ鎌倉へ 鎌倉の大仏こと阿弥陀如来に会いに行ってきた。阿弥陀如来は西方浄土(極楽)にいる如来だ。如来の如は『真如』の如である。 真如とは何か? さて真如とは何だろう? 中村元のおかげで『空』と『縁起』がわ…
『ゆかいな仏教』を読む -人は神にはなれないが仏にはなれる-
仏教を知りたい 日本の知を考える上で仏教は外せない 河合隼雄は人の心を「科学」するためにユングから心理学を学んだが、日本でクライアントと向き合う中で、それまで重視していなかった「仏教」を日本人の中に発見する。それは個の自…
河合隼雄を読む -人事コンサルの切断とこころ-
河合隼雄を読む 人の心などわかるはずがない 河合隼雄は、ユング心理学を日本に持ち込んだ心理学者だ。私がはじめて読んだのは小学生のころ、母の本棚にあった『こころの処方箋 』である。 一章のタイトルが「人の心などわかるはずが…
『空海の夢』を読む -西洋は我を強め、東洋は我を空じる-
空海の夢 いかに意識をコントロールできるか 前回、中村元「龍樹」のおかげで『縁起』の理解が進んだ。関係性こそすべてという考え方は、一体感を重視する日本人の性質に影響を与えているのだろう。さて、この勢いで日本の仏教に挑戦し…
『龍樹』の縁起 -人と人の間にあるものが人間-
空とは、縁起とは何か? 大乗仏教の祖「龍樹」 『ゆかいな仏教』によれば、仏教にはドグマ(教義)がない。じゃあ何があるのか。 一切が空。 そう、仏教には『空(くう)』があるのだ。いま日本で普及している大乗仏教、その祖といわ…
佐々木閑 「100分de名著 般若心経」を読む
私は「般若心経」について、なんだか大きな誤解をしていたようだ。 般若心経という262文字の短いお経は、日本で一番読まれているのだそうだ。私も母方の実家で法事のたびに聞かされていて馴染みがあった。有名な「色即是空」というフ…
松岡正剛「誰も知らない世界と日本のまちがい」を読む
『17歳のための世界と日本の見方―セイゴオ先生の人間文化講義』が面白かったので、続編の『誰も知らない 世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義』を続けて読んだ。 この本に限らずだか、西洋の知、資本主義の視点だけで世界を…