知性は死なない アフォーダンスという能力観の刷新 與那覇潤『知性は死なない 平成の鬱をこえて』 希望をくれる本だった。 「知」を仕事にしていた大学准教授の筆者が、鬱病を患うことで知性というもっとも頼りにしていた「能力」を…
カテゴリー: 読書の壺
『小さなチーム、大きな仕事 -37シグナルズ成功の法則』を読む
REWORK 新しい現実にあった仕事 ソフトウェア開発会社、37シグナルズの創業者たちが書いた本。アカツキのスクラムマスター馬場さんに教えてもらった。 余計なものを削ぎ落とし、本質に向けてグイグイ進む感じが心地良い。明快…
サイボウズ『チームのことだけ、考えた。』を読む −100人100通りの働き方の裏側−
100人100通りの働き方 青野慶久『チームのことだけ、考えた。サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか』 気になるタイトルである。 そして中を読むと言葉と施策に一貫性がある。これは…
『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』を読む -日本企業では?-
ビジョナリー・カンパニー2飛躍の法則 偉大な企業づくりの教科書 ビジョナリーカンパニー2は「普通の企業・良い企業」がどうやって「偉大な会社」になるのか、時代や業界を超えて共通する『飛躍の法則』をまとめた教科書だ。 アカツ…
『禅への鍵』を読む -お茶があなたですし、あなたがお茶なのです-
マインドフルネスの立役者による禅の入門書 ベトナムの禅僧ティック・ナット・ハン 『禅への鍵 』は良い本だった。まず白くてシンプルな装丁が良い。タイトルが良い。作者のティック・ナット・ハンが良い。翻訳者の藤田一照が良い。そ…
本の読み方 -本を読まない人からの不思議な質問に答える-
本の読み方 本を読まない人からの不思議な質問 本を読んでいると、質問されることがある。 「どうしてそんなに沢山の本を読めるんですか?」 「どうやって読む本を選んだら良いんですか?何の本を読むべきか、わからないんですよ」 …
十牛図とは何か
十牛図とは何か 十牛図は、仏教、禅において悟りに至る10の段階を示した(と言われている)10枚の絵です。 作者は中国北宋時代の臨濟宗禅僧、廓庵(かくあん)。 今回は趣向を変えて、文章ではなくスライドシェアです。
青山拓央『時間と自由意志』を読む
自由意志について論じた哲学書 自由とは何か こういう白くてシンプルで硬い本が好きだ。『時間と自由意志:自由は存在するか』は以前ご紹介した『幸福はなぜ哲学の問題になるのか』の青山拓央が「自由意志」について論じた哲学書である…
『出現する未来 Presence』を読む
過程を書き残す価値 西洋の知性が東洋の知から学ぶ この『出現する未来 』は『学習する組織――システム思考で未来を創造する』のピーター・センゲ、『U理論――過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術』のオッ…
森博嗣『「やりがいのある仕事」という幻想』を読む
身も蓋もない仕事論 悩めるのは豊かな証拠 前回、『自由をつくる自在に生きる』を読むでも登場いただいた森博嗣は元大学准教授である。そのため学生や卒業生から仕事についての悩みをよく相談をされたのだそうだ。 この『「やりがいの…
青山拓央『幸福はなぜ哲学の問題になるのか』を読む
幸せって何だっけ? 幸せを目指す企業アカツキ アカツキに入社してから、幸福について考えるようになった。 アカツキCEO塩田元規さんは、若い頃にお父さんを亡くし自分もいつか死ぬのだという現実に直面した。そして生きているうち…
守島基博『人材マネジメント入門』を読む
人事担当者に必要なスタンスが書かれた良書 合理と非合理の間で 守島基博『人材マネジメント入門 日経文庫B76』は、人事担当者向けの本である。理論はなく実務が中心だ。2004年という書かれた時代もあってか「人を大事に」とい…