キャリア研修 Will Can Must 【自分の人生を輝かせる目標設定 03】

キャリア研修 Will Can Must

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人事コンサルタントという仕事をしているからか、よくキャリアの相談をうけます。

「自分でもなにをやりたいのか、わからないんですよ」

「やりたいことと、やるべき仕事が一致していなくて」

多くの悩みは「やりたいこと」に関連していました。それは私も直面してきたことなので(参照:人生のハンドルを握れ!【自分の人生を輝かせる目標設定 01】 全部とる!【自分の人生を輝かせる目標設定 02】)できるかぎり真剣に向き合ってきました。

その結果、いくつかの悩みのパターンと、気づきの方法論が見えてきました。

去年(2018年)、これまでアドバイスしてきた方法論を整理し、研修仕立てにして数名の方に実施したところ、とても好評でした(クチコミでの開催希望に応え続けたところ、この数ヶ月で受講者は100名を超えました)。

回を重ねるごとにブラッシュアップをしてきたため、積み重なったノウハウにはそれなりの価値があるのではないかと思います。

今回、そのやり方とコツを書き残すことにしました。


場設定

5名程度で行うグループワークです。7名を超えると効果は半減します。8名以上の場合は2グループに分けて講師を各グループに1名配置しましょう(受講者と講師の1対1でも応用可能です)。

時間は休憩を含めて4時間。普段の職場をはなれて、ゆっくり集中できる場所(オフサイト)で行うことがオススメです。


準備物

準備物は以下のとおりです。

  • 付箋(75×75mm)赤青黄緑橙の5色をそれぞれ人数×100枚
  • 模造紙(四六判 788×1091mmを半分に切って使用)人数分
  • ペン(細すぎないもの)人数分

事前課題

受講者には事前に「自分史」を書いてもらいます(図参照)。

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横軸に人生の時間を、縦軸に当時のモチベーション(気持ち)をとり、印象的な出来事を書いて、これまでの自分を振り返ります。研修当日までに、受講者全員が他の受講者のものが読めるよう共有しておきます。


プログラム

プログラムは以下のとおりです。適宜休憩をとりましょう。

  1. インストラクション 15分
  2. Will(やりたいこと) 60分
  3. Can(できること) 60分
  4. Must(なすべきこと)30分
  5. キャリアアンカー 30分

1.インストラクション 15分

ホワイトボードに円を3つ、中心が正三角形となり、線が少しずつ重なるように書き、3つの円に、それぞれwill、can、mustと書いてその内容を説明します(写真参照)。

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参加者には模造紙とサインペンを配布し、ホワイトボードの図を同じように書いてもらいます(氏名も忘れずに)。

キャリア・アンカーの考え方について簡単に説明します(参照:キャリアの問いは、何をやりたいか、何ができるか、何をなすべきか、そしてどうやって生き残るか)。

やりたいこと、できること、しなければならないこと、3つの円の「重なりを大きくしていく」というメッセージを伝えます。


2.Will(やりたいこと) 60分

受講者1名にフォーカスして進めます。

まずはAさん。

Aさんに黄色い付箋を3枚ずつ配り、自分が「やりたいこと」を書いてもらいます。1枚に1つ。端的に。やりたいことの粒感やレイヤーは問いません。「甘いもの食べたい」でも、「新サービスで世界を変えたい」でも、OK!

深く考えすぎず、5分間です。

その間にAさん以外の受講者は、Aさんの「個人史」を読み、この人が「やりたいこと」を予想して、黄色い付箋に書きます。1枚。端的に。Aさんのことをよく知らない人でも、個人史からの情報や今日の研修のAさんを見てある種「勝手に」書いてください(当たり前ですが傷つけるような内容は、なしです)。

書き終わったらAさんの模造紙を全員で囲み、わかちあいます。

Aさん以外の受講者が1人ずつ、Aさんの「やりたいこと」予想を伝えながら模造紙のWillの円の中に付箋を貼ります。Aさんは反論や説明をせず、じっくり味わいましょう。

全員からの予想を伝え終わったら、Aさんが自分の「やりたいこと」を全員に伝えます。1枚ずつ付箋をWillの円の中に貼っていきます。この時、その「やりたいこと」を「個人史」と紐付けながら話すように、講師は促します。

次はBさんの模造紙を全員で囲って、同じ手順を踏みます。

全員分が終わったら、着席してもらい、感想と気づきをわかちあいます。

他者から「やりたいこと」を予想されると、思いもよらなかった視点を得られます。Willを考えるのは苦手だという方が、このワークで他者の中に自分のWillを見出して驚かれることが多いようです。また個人史と紐付けて語ることで、自分のキャリア観がおぼろげながら見えてきます。

ここで一度休憩をとります。


3.Can(できること) 60分

Can(できること)とCan’t(できないこと)を扱います。

まずは受講者全員に、赤と青の付箋を2枚ずつ配ります。自分の「できること/得意なこと」を青い付箋に、「できないこと/苦手なこと」を赤い付箋に書いてもらいます。端的に。5分間。

粒感やレイヤーは問いません。「字が綺麗」でも、「気配りがうまい」でも、「国家資格を持っている」でも、OK!

受講者1名にフォーカスして進めます。まずはAさん。

Aさんの模造紙を全員で囲みます。Aさんは「できること」「できないこと」を1枚ずつ順番に、全員に共有しながら模造紙のCanの円に付箋を貼ります。

Aさん以外の受講者は、手元に青と赤の付箋を持ち、リアルタイムでAさんの「できること」「できないこと」を付箋に書き出しながら、本人に伝えて模造紙に貼っていきます。

「できること」がどんどん出てくるダイナミズムがキモなので、出にくいときは講師が、この研修の場で気づいたことを付箋に書いて貼っていくことで場を活性化しましょう。はじめは、このくらいの粒で出しても良いとわかってもらうため「声が大きいのがいい」「笑顔が素敵」などを出してみます。段階的に「自制心が強い」「相手の立場を考えて発言している」など深めの言葉を差し込み、場を誘発していきます。

「できないこと」はあくまでも本人の気づきのために、Aさんがキャリアを考えるために参考になることを伝えます。「愛をもって伝える」のが鉄則です。ただの「ダメ出し」は不要ですし、「人格否定」は禁止だと全員に伝えましょう。

次はBさんの模造紙を全員で囲って、同じ手順を踏みます。

全員分が終わったら、着席してもらい、感想と気づきをわかちあいます。そして休憩。


4.Must(なすべきこと)30分

受講者1名にフォーカスして進めます。まずはAさん。

Aさんに橙色の付箋を2枚配り、自分が「人生でなすべきこと」と「周囲から期待されていると思っていること」を1枚ずつ書いてもらいます。端的に。3分間。

人生でなすべきことは、自分が「しなければならない」と暗黙に思っていることです。「親の介護」「子育て」「起業」「実家を継ぐ」などが入ります。

周囲からの期待は、想像で大丈夫です。「上司からいずれ管理職になって欲しいと思われている」「夫にもっと早く帰れと思われている」「仲間たちにはリーダーであってくれと期待されている」など。

その間に、Aさん以外の受講者は「Aさんへの期待」を橙色の付箋1枚に書きます。普段関係性がない相手であっても、ここまでの研修を共にしていたら必ず書けます。

Aさんの模造紙を全員で囲みます。

Aさんからは自分の「なすべきこと」と「周囲の期待」を、Aさん以外の受講者からは「Aさんへの期待」を読み上げながら、付箋を模造紙のMustの円に貼ります。ここでじんわりとAさんの人生を味わう空気になっていれば、この研修は成功です。

Aさんに一言感想を言ってもらって締めます。

次はBさんの模造紙を全員で囲って、同じ手順を踏みます。全員回したら、わかちあいや休憩はなく、即次のワークへ。


5.キャリア・アンカー 30分

講師がこれまでのワークでやったことを簡単に振り返り、いよいよ「3つの円の重なり」について考える時だ、と告げます。

緑色の付箋を1枚、模造紙の円の重なりの真ん中に貼ってもらい、Will Can Mustを「統合した一言」を書いてもらいます。

模造紙に大量に貼ってあるカラフルな付箋は、他の受講者の力を借りて見つめてきた自分です。もう一度全てをじっくり眺めてもらった上で、緑の付箋を記入します。2分。

「ここまで真剣に考えてきた皆さんは、必ず書けます」

書いた内容を、全員でじっくりわかちあって、研修は終了です。

 

ご参考までに、私自身も受講者として参加した時の模造紙は、こんな形になりました。

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これまでの受講者の方々からは、真ん中の緑色の付箋に書いた一言が「あれからキャリアにおける拠り所となっている」という声を多くもらいました。

自分は何を「やりたい」のか?

どうすれば「しなければならない」ことと接続できるのか?

そのために必要な「できること」とは何か?

この研修がWillの悩みの一助になることを願っています。もし実施されたときは一報いただけると嬉しいです(^^)b

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