【自分の人生を輝かせる目標設定 01】
人生のハンドルを握れ!
あれ、管理本部長になりたいんだっけ?
私は20歳代後半の頃、会社を変わる選択をしました。
そのきっかけは「いずれ管理本部長を任せたい」という、当時の上司である管理本部長の一言です。
それはおそらく信頼してくれている、ということ。とても嬉しい気持ちにもなりました。
でも、、、
「あれっ?俺は管理本部長になりたいんだっけ」
という違和感のほうが強かったのです。
当時の私は100名のIT企業の人事部門のリーダー。リーダーとはいってもメンバーは数名の小さなチームです。日々の仕事に精一杯で、あまり自分の将来を考える余裕はありませんでした。
冷静に組織図を見てみれば、自分の上のポジションは管理本部長。いつかここにあがるのは、組織として当然の期待かもしれません。
この組織図の中には、自分の未来が見えないぞ、どうすれば良いんだろう。
社長のアドバイス「資格をとれ」
そこから30歳間近の自分探しの旅がはじまりました。
会社の社長はとても良い方で、毎週のように私を飲みに連れ出して、経営者が何を考えているかを教えてくれました。この社長からの薫陶がいまでも私の仕事観の原点です。
いつもの蕎麦屋で自分の将来についてアドバイスを求めたところ、社長は「中小企業診断士」という資格を教えてくれました。
コンサルタントの国家資格で経営の幅広い知識を身につけることができるそうです。人事のお前には、経営の視界がない。この先を考えるなら役に立つはずだ。
会社の補助制度を使えば、勉強にかかる費用はかなり負担してもらえます。
なるほど資格ね!と思ったもののまだピンときません。
姉のアドバイス「自腹を切れ」
そういえば姉が語学の資格をいくつも持っていました。彼女に相談してみよう。
姉は自分の得意領域を伸ばすために、資格の勉強はとても良いと教えてくれました。ただし、目的は資格をとることではなく、知識を身につけること、そこを履き違えると使える力にはならない。
そして「必ず自腹を切って、勉強しなさい」とも強く言いました。会社の補助制度を使って、人のお金でやった勉強は決して身につかないよ、と。
後から振り返ると、この教えは役に立ちました。そう、これは実は「自分の人生の主体者であれ」という本質的なアドバイスだったのです。
好きなこと、やってない奴の顔は、歪んでいる
この自分探しの旅の間、私に響いたのはこんなひとたちの言葉です。
ドラッカー「強みの上に築け」
筒井康隆「人間はただその一生のうち、自分に最も適していて最もやりたいと思うことに可能な限りの時間を充てさえすればそれでいい筈だ」
山下洋輔「やりたいこと、やってない奴の顔は歪んでいる」
これらの言葉を印刷して壁に貼り、眺めて唸る毎日。
そう。自分の人生は自分で決めるべきだ。人生のハンドルを握らなければならない。それだけが分かっていることでした。
しかし、それだけで良いのか?
やりたいことを、やりたい!それはただのワガママではないのか。だいたいそれで食べていけるのか?
組織からの期待に応えること、身につけるべき能力、そして自分のやりたいこと、それをどんなバランスで、どう捉えたら良いのか。
壁に貼ったジャズピアニスト山下洋輔は満面の笑みで「好きなことやってるか?」「お前の顔は、歪んでないか?」と問いかけてきます。
(つづく)
2件のコメント
コメントは受け付けていません。