『小さなチーム、大きな仕事 -37シグナルズ成功の法則』を読む

REWORK

新しい現実にあった仕事

ソフトウェア開発会社、37シグナルズの創業者たちが書いた本。アカツキのスクラムマスター馬場さんに教えてもらった。

余計なものを削ぎ落とし、本質に向けてグイグイ進む感じが心地良い。明快で(アド)ベンチャーな「実践書」である。

この本は、学術的な理論ではなく、僕たちの経験をベースにしている。p7

原題は『REWORK』。新しい現実の中で、いまこそWORK(仕事)の本質を見つめなおすべきだと筆者は言う。

新しい現実とは、今や誰でもビジネスができるということだ。かつて手の届かなかったツールは容易に手に入る。何千ドルもした技術はほんの数ドルか無料にすらなっている。p13

そして「そんなこと”現実”にはうまくいくわけない」という「現実」主義者を強く批判する。

一皮はぐと「現実」の世界の住人は悲劇と絶望に満ちている。新しいコンセプトが失敗することを期待している。社会は変わらないし、変えることもできないと思い込んでいる。p17

そしてその先入観をひっくり返す働き方を提示するのがREWORK。

彼らはいろいろなことを言うが、僕たちはそれが間違っていることを証明してきた。そして、どうやるかを示すために、この本を書いたのだ。p10

そう、この本は新しい現実に即した考え方を、具体的なHOWとして見せてくれるのだ。

目次をざっと眺めるだけでも面白い。

  • 計画は予想にすぎない
  • 会社の規模なんて気にしない
  • 仕事依存性はバカげている
  • 「起業家」はもうたくさん
  • 書類上の合意は幻想
  • 解決策はそこそこのもので構わない
  • 競合相手が何をしているのかなんて気にしない
  • 履歴書はばかばかしい
  • 経験年数は意味がない

一見とてもアンチな雰囲気だが、それぞれ読むと納得感がある。

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小さなチーム、大きな仕事

ところで、日本語のタイトルは『小さなチーム、大きな仕事 -37シグナルズ成功の法則』となっている。

たしかに規模の小ささは37シグナルズの特徴だ(この本の出版時点で16人)。そして身の丈に合わない急激な成長を戒めることも本書の主旨のひとつである。

規模とビジネスにどんな関係があるのだろうか。なぜいつも拡張が目標なのだろう。うぬぼれ以外に「大きさ」に引き寄せられる理由は何だろう(「スケールメリット」よりましな答えが必要だ)。p25

しかし、特に小さくなければならないと言っているわけではない。また小さなチームで大きな仕事をすることを誇っているわけでもない。

持続的で、利益の出るビジネスを行っていれば、それが大きかろうと小さかろうと誇るべきことなのだ。p26

わざわざそれをタイトルにまでしたということは、日本では「大きさ」に対する過剰な感覚が海外より強いのかもしれない。

 

自分が使いたいものを作る

さあ、では私が日本語のタイトルをつけるとしたら何になるだろう。

新しい現実に即したいくつかの魅力的なコンセプトが示されているが、その根幹となるのはこの辺りではないだろうか。

「世界にささやかに貢献する」という節。

大きな仕事をするには、他と違ったことをしているという感覚が必要だ。世界にささやかに貢献している、あなたは重要なものの一部である、という感覚だ。

これはガンの治療法を発見しなければいけないという意味ではない。自分の努力に価値があると感じる必要があるということだ。顧客に「私の人生をよくしてくれた」と言ってもらいたいはずだ。やめたら、みんなに気づいてほしいはずだ。p34

そのためにはどうしたら良いのだろう。HOWも明快に書かれている。それは「あなたに必要なものを作る」ことだ。

すごい製品やサービスを生み出す最も単純な方法は、あなたが使いたいものを作ることだ。自分の知っているものをデザインするなら、作っているものがいいかどうかすぐに判断がつく。僕たちは自分に必要なものを作ったまでだ。p37

僕はこれが気に入っているから、君もこれが気に入ると思うよ」と誰よりも信じていなければならない、と言う。

この「自分自身の問題を解決する」アプローチでは、作り手は作るものと恋に落ちる。p39

そのとおり!

自分に照らして考えてみると、私が仕事で成果を出せているときは、まさしくそのパラダイムにいるときだと思う。

プログラマとして働いているときに抱えていた問題を解決したくて人事になった。人事担当のときに悩んでいたことを解決したくてコンサルタントになった。

そして、人材マネジメントに関して「どう考えたら良いのか」と混乱していたことを解決したくて、このブログや本を書いているのだ。

恋に落ちるレベルまで自分のサービスに魂を込めよう!と読んでいてひとり熱くなった。

ということで、日本語タイトルは『REWORK –自分が使いたいものを作り、恋に落ちる-』が良いと思います(^^)b

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