Q11.リーダーシップとは何か?それは伸ばせるものなのか?

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リーダーシップ

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勉強会参加者の問い

今回はテーマ6.人材開発について。医療系企業の人事、大楠さんからの問いです。

リーダーシップを伸ばすためには、どうすればよいでしょうか?

部下の目に映った姿こそが『影響力』としてのリーダーシップの実像そのもの』によれば、リーダーシップを発揮する良い行動には共通点が見出せそうです。それを習慣化する施策を考えたいです。

 

リーダー・リーダーシップ・マネジメントを一言でいうと?

さて、まずは言葉を整理します。リーダー・リーダーシップ・マネジメント、それぞれ何を意味しているか一言で言えますか

ここでは以下のように定義しました。

  • リーダーとは『指し示す』役割
  • リーダーシップとは『影響力』能力
  • マネジメントとは『やりくり』する手法

つまり『ゴールを指し示し、影響力を持つのが良いリーダー』です(マネジメントについては『Q1.マネジメントとは、いったい何なのか?』を参照)。

リーダーがふと後ろを振り向いたときに、皆が指し示した方向についてきてくれていること、それが影響力です。

 

リーダーに向いている性格は?

リーダーシップとは努力で身につけられるものなのか、生まれもったものなのか。リーダー向きの性格はあるのでしょうか?

3つのことが言えます。

❶リーダー向きの性格は「ない」

適性検査SPIを開発し日本企業の性格結果を見ている大沢武志さんによれば、リーダー向きの性格はありません。(SPIと大沢さんについては『SPIなどの適性検査は、総合的な深い人物理解に近づくためのもの』を参照)

パーソナリティ特性とリーダーシップの間には、一貫した関係を単純には見出すことはできない。簡単に性格から適性を見出せると思ってはならない。(『心理学的経営―個をあるがままに生かす』より)

❷管理職へ昇進する人には共通した特徴がある

ただし、管理者向きの性格はあります。管理職適性検査の追跡調査結果からは、管理職として昇進しやすいのは「社交的で臆せず意見を主張し、革新的で思いきった決断をする」性格の人だと言えます。

またMBTIではTJタイプ(思考・判断)合理主義が、企業組織の管理職にもっとも適応的です(MBTIについては『自己理解ができなければ他者理解は望めず、自己受容ができなければ他者受容も望めないだろう』を参照)。

❸起業家型トップの性格は様々、周囲との関係が鍵

前出のMBTIによれば、大手企業のサラリーマン経営者にはバランス感覚に優れた効率志向の思考・判断(TJ)タイプが多いのですが、起業家型の創業経営者のタイプはばらつきが大きく、性格を超えた何か強烈なエネルギーが根底にあり、バランスよりは何かを成し遂げようとする達成動機が先行しているケースが多い、とのことです。

このとき周囲がその経営者の性格を受け入れて、また経営者自身と自分の足りない点を自覚して、お互いに補いあえる関係を作ることが成功の鍵です。

 

リーダーの学びは『経験』から

国際的なリーダー育成機関センター・フォー・クリエイティブ・リーダーシップCCLは、リーダーの学びを最大化するのは、アセスメント、チャレンジ、サポートを含んだ「経験であることを明らかにしました。

❶アセスメント

何がうまくやれて、何はうまくやれていないのかを知らせてくれるデータがあること(評価、360度フィードバック、顧客の反応、上司の指摘など)。

❷チャレンジ

慣れ親しんだやり方や居心地の良い場所から踏み出さざるを得ない課題へ取り組むこと。それまでのやり方や考え方の見直しを迫られ、新しい能力を身につけることになる。

❸サポート

学習や成長のための努力が価値あることだと思えること。経験が困難を伴うものであるほど、心の支えとなる励ましや承認が必要となる。

リーダーの経験をどうデザインするべきか、具体的な考え方はリクルートマネジメントソリューションズの谷川さんがまとめた『リーダー育成施策に経験をどのように盛り込んでいくべきか組織的な「成長経験デザイン」の考え方とポイント』という記事がとても参考になりました。

 

リーダーシップ(影響力)の強さは多面評価で認識し伸ばすことができる

周囲の仲間たちが、リーダーの行動をどう受け止めているか「他者認知」こそがリーダーシップの実像であり、それを受け止めて高めていくことこそがリーダーシップを伸ばすことです。

優秀なリーダーの「行動」の他者認知を分析することで、リーダーシップの研究は進められてきました(オハイオ研究・PM理論など)。

Google・リクルートなどではリーダーシップ行動の要素を分解し、多面評価を行い、フィードバックすることでリーダーの影響力向上を狙っています。

面白いことに、各種の研究からも各社の実践でも、そのリーダー行動の要素はほぼこの言葉に集約されているように見えます。

『やってみせ、いってきかせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ』山本五十六

時代や環境が変わっても原則は不変なのですね。

多面評価は先ほどの『アセスメント』にあたりますが、これがリーダーシップを開発する方法です(詳細は『部下の目に映った姿こそが『影響力』としてのリーダーシップの実像そのもの』参照)。

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テーマ6.人材開発

次回も人材開発についての質問をとりあげます。