守島基博『人材マネジメント入門』を読む

人事担当者に必要なスタンスが書かれた良書

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合理と非合理の間で

守島基博『人材マネジメント入門 日経文庫B76』は、人事担当者向けの本である。理論はなく実務が中心だ。2004年という書かれた時代もあってか「人を大事に」というソフトバージョン(人のモチベーションを重視したHRM)寄りの主張を感じさせる。バブル崩壊後の急激なリストラの反動かも知れない。

タイトルは「入門」となっているが、HRMを運用する人事が合理と非合理の間で葛藤したときに、改めて自分のスタンスを整理したいときにこそ読んで欲しい本だ。

当たり前のことを平易な言葉で問うてくれる良書である。

「人材マネジメントの壺」への影響

このブログ「人材マネジメントの壺」を書くにあたって、HRMの日本語訳を何にするか悩んだが、守島さんに影響され「人材マネジメント」とすることにした。

人事労務管理(人事と労務という2種類の雇用管理機能の総称)から人的資源管理(人を経営 資源と考える発想)へ。更に人の側面を更に重んじるニュアンスを強調した「人材マネジメント」という表現へ。

また、人と事業、短期と長期という「一見対立する価値の交差点で仕事をするのが人事」という言葉は胸に響くものがあった。「人」と「事」の両立が 「人事」という仕事の章は完全に守島さんの思想へのリスペクトとして書いた。

他に参考にさせていただいて書いた記事は以下のとおり。

テーマ1.HRM

人材マネジメントの目的は、人を生かして組織のパフォーマンスを最大化すること

テーマ3.評価

相対評価では「きみは彼より上で、彼女より下」としか伝わらず、自分の課題がわからない

魅力的で「やんちゃ」な目標が人を動かす

テーマ5.リソースフロー

「成長の可能性」「即戦力」「価値観への共感」採用は人材要件を明確にすることから始まる

「あう」か「あわない」か悩んだ後は、腹を括って採用するのだ

異動は適材適所を目指すもの、個と組織の相互信頼が問われる

テーマ6.人材開発

人材開発は長期的に必要な人材の「能力」を特定することから始まる

人材開発はOJTと自己啓発をベースとして、Off-JTで補完する。施策を相乗的に機能させることが重要である

何をやりたいか、何ができるか、何をなすべきか、そして、どうやって生き残るか

挑戦し、評価され、支援され、自分の経験から学ぶことでリーダーは育つ

以上