世のため人のために頑張る企業が、日本では持続的に成長している

日本の持続的成長企業

IMG_5225前回は組織のミッションと「社会の公器」を志向する日本企業について述べた。今回は日本で長く生き残り、優良と呼ばれている企業の特徴を見てみよう。

 

「優良+長寿」の企業研究

野中郁次郎・リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所『日本の持続的成長企業 ―「優良+長寿」の企業研究』は、日本版ビジョナリー・カンパニーと呼ばれる書籍だ。

日本の持続的成長企業(50年以上歴史があり、30年以上にわたって持続的に株価が概ね上昇トレンドにある日本企業)の特徴を、3つの組織能力と3つの価値基準からなるマネジメントモデルとして提示している。

 

3つの組織能力

実行・変革力、②知の創出力、③ビジョン共有力によって、業績が総合的に上昇する。

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RMS「業績を高める組織能力と組織・人材マネジメント」調査(2009年3-4月・194組織)の定量情報を元にモデル化された。各社の実例は以下のとおり。
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3つの価値基準

持続的成長企業は、①社会的使命を重視しながら経済的価値も重視、②共同体意識がありながら健全な競争も共存、③長期志向でありながら現実も直視、といった3つの対立する価値基準を併せ持っている。

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各社の実例は以下のとおり。

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組織能力、価値基準、そして人材マネジメントと組織は相互に強く関連し、掛け算で成立している。そのため一貫性をもって高めていく努力が必要だが、その整合性を担保しているのは、この『価値基準』である。

軸となる価値基準があれば、仕組みはその運用や施策実行のプロセスにおいて意味づけが自律的になされる。

 

実感を持ちたい

人を持続的に生かせる企業、世のため人のために頑張る企業が持続成長する」のいう当たり前のことにこそ、企業のエクセレンスの根源がある。それが定量的・定性的に実証された、と野中郁次郎さんは言っている。

うーん。実証されたのか。残念ながら私にはまだよく分からない。コンサル時代、大手企業のクライアント数社とのディスカッションで試しにこのモデルをご紹介したところ、とても喜んでいただけた。大手企業にとっては納得感あるモデルなのだとは思う。しかし中小企業の人事である私には実感が持てないのだ。

 

スクラム

そこで、ソフトウェア開発でよく使用されるフレームワーク「スクラム」について考えてみたい。

元々スクラムとは、野中郁次郎さんが日本企業のベストプラクティスについて研究した論文「The New New Product Development Game(1986)」に登場する、新製品開発チームの新しいあり方だった。それはこんな特徴を持つ。

  1. 不安定な状態を保つ
  2. プロジェクトチームは自ら組織化する
  3. 開発フェーズを重複させる
  4. マルチ学習
  5. 柔らかなマネジメント
  6. 学びを組織で共有する

この考え方を基盤として、ジェフ・サザーランド(Jeff Sutherland)たちがソフトウェア開発のフレームワークに発展させた。

アカツキ社内の開発現場でも実際に使用されており、ここには組織開発で大切なことが沢山詰まっているように見える。

次回は、アカツキのスクラムマスター馬場さんに協力いただき、その考え方と実践を紹介する

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テーマ7.組織開発