当事者意識を大切にした自律的で小さなグループが、大きな組織全体を活性化させる

投稿日:

自律的小集団と当事者意識

IMG_5219前回は小集団(グループ)の力学について見てきた。今回は大沢武志『心理学的経営―個をあるがままに生かす』からグループの自律的な活動とメンバーの当事者意識について考えたい。

 

対面小集団

グループは、メンバーがお互いの個性を直接認識しあえる範囲の人数である必要がある。これを対面小集団という。それぞれが意思を持って相互に介入して自律的に動くことができる単位である。一般的には5〜7人と言われている。

 

自律性と自己決定

グループにどこまで自律性が認められているかが、メンバーの自発的活動の程度を決める。

メンバー構成自体も当事者の意思によって決められているインフォーマル(非公式)なグループは、出発点から「自律的」性格が強く、当然、そのグループの目標設定においても、メンバーの意向が大きく関与する。その目標に賛同することで、そのグループに加わるという関係からスタートすることが多い。

一方、課などのフォーマル(公式)なグループの場合、自己決定や自己裁量によって活動可能な範囲には当然限界があるが、権限委譲の行き届いたグループほど、自律性の程度は高くなり、メンバーの参加や自由度も保護され、組織の活性度も高くなる傾向がある。

 

自我関与と当事者意識

組織において個性を尊重するためには、個人の側の意志の関与がある程度なければ話にならない。つまり仕事がただ単に組織の指示によって与えられたものではなく、自分の仕事、自分の職場という自我関与の意識がなければならない。

自ら目標を定め、あるいは目標設定に参加し、自らの発想で仕事をすすめ、その過程での自己決定の範囲も保障されている自律的組織であればこそ、自己責任の意識も育まれる

グループのなかで相互に介入し、ときには相互批判をかわすことで、我々意識(We-feeling)という相互の絆が形成される。

 

集中的グループ体験

日常の職場では、グループの力学を拠りどころとした人間関係へのアプローチにも限界がある。相互に超えることの難しい心理的なバリアが存在する。Off-JTにおける集中的なグループ体験は、非日常の中で、そこを強める効果が期待できる。

 

リクルートの組織開発

これまで述べてきたような「自律的小集団」の組織活性化への影響は計り知れない。

情緒的なレベルで自己開示が促進され、気持ちの交流と連帯感が育まれ、これが全組織に繰り広げられることで、共振と共感の輪が広がり、風通しのよい組織風土が醸成される。それこそが大沢さんの目指したリクルートの組織開発(ROD)であった。

次回は、組織の存在意義について考える。

image
テーマ7.組織開発