人材開発は、必要な「能力」を特定することから始まる

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能力とニーズ

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能力の分類

今回は能力について見ていこう。能力には、どの企業で働いても通用する一般的な能力と、その企業でしか通用しない能力の2つがある。一般的な能力について、カッツの能力分類を紹介しよう。

3つの能力 ロバート・カッツ

  1. テクニカルスキル(業務スキル)
  2. ヒューマンスキル(交渉・調整)
  3. コンセプチュアルスキル(概念・構造形成、本質追究)

一般的に、階層(役職)が上がるにつれて、コンセプチュアルスキル・ヒューマンスキルの重要度が高まる。

「どこにいっても通用する力」というのがこれだ。今、目の前の仕事で成果を出すことと直結しないこともあり、意図的に高めていく人と、流れるままに仕事をしている人との間には積み重ねると大きな差が出るだろう。

長期的な組織能力

守島基博『人材マネジメント入門 』によれば、不確実な状況下では、組織にとって自社のビジネスドメインを決定し、そのドメインの中で新しい戦略を出せる組織能力を蓄積することが重要になる。そのために人材開発で視野に入れるべき個人の能力は以下のとおり(前回のCapability-Drivn Approach)。

  1. 専門分野についての具体的なノウハウ・知識
  2. リスクをとったり、新しいことを考えようとする思考特性
  3. 方向性を論理的に考えたり、ビジョンを描く能力

人材開発ニーズ

経営戦略を実現するために必要な能力と、既存人材の持つ能力のギャップが、人材開発ニーズである。

ニーズ把握は、具体的には以下から考える(須田敏子『HRMマスターコース―人事スペシャリスト養成講座』より)。

  1. ジョブ・ディスクリプション:職務の責任、タスクや指示・報告関係を記載したもの。ここで示された職責やタスクの遂行がトレーニング・ニーズ特定の出発点となる。
  2. パーソン・ スペシフィケーション:職務に必要な知識・スキル・経験などを記載したもの。ここに記載された要件を満たすこと。
  3. 従業員の個人プロファイル:現在保有しているスキル・知識やこれまでの職務経験、さらに 将来のキャリア開発の方向や実現のために必要なスキル・知識・経験も含まれるため、特定の重要な素材となる。
  4. 本人に対するインタビュー:職務の具体的な内容や状況を本人に聞いて、必要なスキル・知 識・行動を明らかにする。インタビューは直属の上司や人事部門によって行われる。
  5. 上司に対するインタビュー:部門長などシニアマネジャーや人事部門が直属 の上司に実施する。4と比較して内容を補完する。
  6. パフォーマンス目標:目標を達成するために必要なスキル・知識・行動を特定する。
  7. パフォーマンス・レビュー:個人の強みと弱みを把握する。
  8. デベロプメントセンター:長期的なキャリア開発の方向性や具体的なトレーニング・ニーズ などを得ることができる。

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働く個人からすれば、新しい能力・知識・スキルを習得したいというニーズがあるが、企業が進みたい方向と、それらが一致するとは限らないところに難しさがある。

次回は人材開発の手法について見ていきたい。

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テーマ6.人材開発

参考文献