これからの仕事のやりがいは「本質」「没頭」「卓越」

これから先の「仕事のやりがい」

IMG_5010.PNG積極的な満足は仕事自体から生まれるが、日本では仕事のやりがいが低下し続けている。では、これからの「仕事のやりがい」はどう考えていけば良いのか。

今回も小野泉・古野庸一『「いい会社」とは何か 』に教えて貰おう。この先の働くプロフェッショナルの像として、クリエイティブクラス、Z理論体現者、知識労働者の3つを紹介し、彼らの「仕事のやりがい」と、彼らへの関わり方を考えてみたい。

 

クリエイティブクラス

リチャード・フロリダの言うクリエイティブクラスとは、何かを創り上げることで報酬を得ている人である。彼らは金銭的な動機よりも内発的動機によって働いている。

彼らにとっての仕事のやりがいは、ワクワクするようなプロジェクト・卓越した技術が求められる仕事・自分のアイデアが生かせる仕事である。
やりがいを促進するものは、職場環境・ドレスコード・時間・仕事のやり方の柔軟性・仲間内からの評価である。

マネジメントにできることは、信頼できる人材を配置し、鼓舞し、辛抱強くコミットすることであり、してはならないことは、機械的な行動管理である。

 

Z理論体現者

ダグラス・マグレガーの「権限行使による命令統制のX理論」と「統合と自己統制のY理論」は有名だが、現実世界で自己を実現するY理論に対してアブラハム・マズローは「至高体験」を経験したZ理論を唱えている。その体現者の特徴は以下のとおり。

  1. 本質的な価値の次元で生きている。完全性、真、善、美などが主要な動機。
  2. センス・オブ・ワンダー(謙虚さ、無知の意識、ちっぽけな自己、宇宙の巨大さを前にした畏怖の念)を持っている。
  3. 寝食を忘れ、我を忘れ、何かに没頭できる
  4. 新しい何かを創造し、組織を改革し、時代を創る。
  5. 特権、ぜいたく、搾取、地位、支配する力、組織や上司のつまらないエゴから分離し、育てていくべき。金銭的な報酬を「多くしすぎない」ようにすべき。

知識労働者

P・F・ドラッカーによれば21世紀の組織における最も価値のある資産は、知識労働者であり、彼らの生産性である。彼らは肉体労働者とは異なり、目的から考え、目的に沿って仕事をデザインする。

知識労働者のマネジメントは、オーケストラの指揮者のように、仕事そのものから満足が得られるように、ボランティアの人たちを動機付けるように行うべきだ。

日本(トヨタの工場)では、終わることのない改善を現場の従業員が行なっている。一人の人間として現場の従業員を見て、知識労働者として扱いその知性を信じ、変革推進者に育てたのだ。一方、アメリカ(ヘンリー・フォード)では現場のブルーカラーを信じていなかった。品質や効率は本社のホワイトカラーが考えることだと捉えていた。

 

まとめ

3つの像から読み取れる、関わり方はこうだ。

彼ら自身が追っている「本質的な仕事の価値」を認め信じること。そして没頭している状態を邪魔しないこと。卓越した力をつける支援をすることだ(内的報酬を重視すること)。

そして、お金で釣ろうとしないこと外的報酬を重視し過ぎないこと)。しかしその成果には誠実に報いることだ。

仕事のやりがいは、プロフェッショナル自身が感じるものであって、他者から与えられるものではない。魅力的な目標に向けて握手し、協力し合う、対等な関係が個と組織には求められる。シンプルに言えば信じて邪魔をしないことだ。これに尽きる。

青山拓央「幸福はなぜ哲学の問題になるのか (homo viator)」によれば、仕事における個々の行為が、それ自体を目的とし、それ自体において(アレテー)が十全に発揮される活動(エネルゲイア)であるならば、その仕事は生きがい(エウダイモン)につながる、とアリストテレスは言っている。

仕事の本質に、没頭し、卓越していくプロセスこそ、やりがいであり、生きがいにつながる。それは2300年前から変わらない人間の姿なのだろう。

 

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