日本企業の賃金は、世界で類を見ないほど…

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賃金

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前回、報酬は外的と内的どちらも考えるべきだと述べた。今回は外的報酬の代表選手、賃金について見ていきたい。

 

賃金管理の基本

賃金は公平な分配総額人件費、ふたつの観点から管理する。

公平な分配については、等級評価から決定される。不満が生じるかどうかは信頼関係によるところも大きいが、仕組み上での分配の公平感も可能な限り目指すべきだ。

総額人件費については、人件費が企業の経営を圧迫しないように適正な比率であるよう管理する。
代表的な管理指標は、労働分配率である。付加価値(売上-(原価+原料費)に占める人件費の割合だ(総務省の統計表一覧参照)。

 

賃金額の決め方

賃金額は、以下の観点で決定する。

①採用市場で競争力のある水準か
②総額人件費が経営を圧迫しないか
③支払う対象が明確か

①と②は理解が容易だと思うので、③について考えていこう。一筋縄ではいかない問題なので、まずは日本の賃金の状態を欧米と比較してみたい。

 

日本と欧米の賃金の違い

須田敏子『HRMマスターコース―人事スペシャリスト養成講座』によると日本と欧米の賃金の違いは次のとおり(他にもブルーカラーとホワイトカラーの扱いや、階層別についても触れているが、ここでは割愛する)。

手当て

日本では月例給における手当ての割合が高いが、欧米では手当てはほとんどなく、月例給はほぼ基本給である。

ボーナス

日本では年収におけるボーナスの割合が高く、会社業績や個人業績に関係なく固定的に支給されることも多い。欧米ではボーナスは利益配分として捉えられる(業績変動型賞与)。

基本給

日本では基本給が、資格給、成果給、本給などいくつもの要素から複雑に構成されていることが多いが、これは世界において日本独特の仕組みである。日本以外の諸外国では、単一型賃金であり、基本給の賃金体系という概念もない。

職務給と職能給

欧米は職務等級から決定する職務給、日本は職能資格等級により決定する職能給を基本給とすることが多い。

 

日本の賃金は世界で類を見ないほど複雑で有機的である。なぜこうなっているのか、次回はその歴史を追ってみよう。

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