組織における目標とは「自分がやりたいこと」でも「与えられたノルマ」でもなく「握手する」もの

目標管理とは何か

前回は 、相対評価では「きみは彼より上で、彼女より下」としか伝わらず、自分の課題がわからないため、行うべきは絶対評価だと述べた。今回は、その絶対評価の代表的な方法である目標管理について考えたい。

image

目標管理の狙い

目標管理制度(MBO:Management By Objectives and Self-control)とは、アメリカのドラッカーによって提唱されたマネジメント手法である。

はじめに目標を立て、一定期間の後にその達成率(目標に対しどこまでできたか)を評価する、非常にシンプルな仕組みだ。

根本孝・金雅美「人事管理(ヒューマンリソース)―人事制度とキャリア・デザイン (マネジメント基本全集)」によれば、目標管理の狙いは「組織の全体目標と個人の目標を関連づけ、しかも目標を達成することが、人間としての興味や欲求を満足させるようにすること」である。

ポイントは2つだ。

1.全員の目標が達成されると組織の目標は自動的に達成されるよう、目標が連鎖している。
2.一人ひとりが「意味がある」「やってみたい」と思える目標である。

個の「やりたい」だけでも、組織の「やってほしい」だけでもなく、双方の「握手」が必要なのである。

そんな目標を上司(評価者)は、部下(被評価者)とともにデザインしなければならないのだ。とても難しいが、非常にクリエイティブでやりがいのある仕事だと思う。

 

失われたセルフコントロール

Management By Objectives and Self-controlを日本語訳すると「目標管理と自己統制」となるが、後半の自己統制(セルフコントロール)が日本で普及するうちに、いつの間にか消えてしまって「目標管理」となっている。しかし、実は一番大切なのはセルフコントロールなのである。

 

TM Network「Self Control」彼らだけは歌い続けてくれた

同書では、目標管理の最大の利点は「自らの行為を統制することが可能になる」ことで「自己統制は働く意欲を強くもりあがらせ」「自己統制によって仕事の目標はいっそう高くなり、考え方もより広いものになる」ことだと言っている。

目標管理を導入している各社は、そんな理想的な状態になっているだろうか?

かなりの企業で目標管理は、ただのノルマ管理となってしまっているのではないか。本来は上司と部下ですり合わせ、ともに立てるべき目標を、必達すべき数字として上司から落としてしまっている。

クリエイティブな目標デザインを放棄した結果、セルフコントロールが消えてしまったのだ。

また、目標をすり合わせる機会があっても、部下が自己目標を立てられないこともある。意欲を引き出さなければならない。

本人の参画と上司の力量がなければ、良い目標は立てられないのだ。

さあ、いったいどうすれば良いのか。次回は、良い目標の立て方とフィードバックについて考えてみたい。

IMG_0007
テーマ3.評価

13件のコメント

コメントは受け付けていません。