『尾崎豊』という存在

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同世代には影響を受けた方も多いと思うが、私は特にそうだ。40歳を過ぎた今でも「17歳の地図」や「15の夜」を熱唱したりする。もう娘が15歳なのだが。

私が神妙な顔つきで黙りこんでいるときは、だいたい心の中の尾崎がシャウトしていると思ってもらって間違いない。

それは、こんな尾崎だ。

「自由になりたくないかい?」と叫び、盗んだバイクで走り出しても「自由になれた気がした」だけの尾崎。
「愛したい」と願うが、「いったい何が愛なのかそれは誰にもわからない」と思っている尾崎。
他者の集合である「街」の中で、「自分の存在がなんなのかさえわからず震えている」尾崎。
「何かが俺と社会と不調和にしていく」と怯え、「僕はたった一人だ」と孤独に絶望する尾崎。
一人追い詰められ、ライブで観客席に「俺の歌なんだから歌うな!」と吠えてしまった尾崎。
「街灯の小さなノイズにさえ心震え」てしまうほど、フラジャイルな尾崎。
それでも「この冷たい街の風に歌い続け」た、尾崎豊。

その歌は、葛藤。

「生きること。それは日々を告白してゆくことだろう」という最晩年の言葉のとおり、彼の歌は葛藤の告白だ。
自分の核である「原色の孤独」を、「僕が僕である」ことを、ここまでのたうちまわりながら真摯に表現し続けた人を私は他に知らない。

キーガンの発達段階で言えば第2段階(個人主義)なのだろう。しかし他に類を見ないピカピカの第2段階だ。決して第3段階(社会の構成員)にならなかった。そういう「存在」として尾崎はまだ私の中から消えない。

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写真は尾崎豊のプロデューサー須藤晃さんのサイン。先日、不思議なご縁でいただくことができた。
今もお元気なこと、魅力的な若いアーティストを育てていらっしゃることが知れて、勝手にとても嬉しくなった。

須藤さんの中で、尾崎はまだ狂おしくシャウトしているのだろうか。

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