人間の成長を重視した「職能資格」は、日本で最も普及した等級

職能資格

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日本企業では自然な風景

皆さんからすると、このケースはどう見えるだろう?

頑張って「能力」を上げれば評価され、昇格して給与が上がる。長い間、同じ格付けにいる社員は「あいつもそろそろ上げてやろう」と昇格して給与が上がる。しかし昇進して課長や部長になれるかどうかはポスト(椅子の数の問題)なので別の問題である。

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苔むした階段、有機的になっている職能のようだ

いかがだろう。良きにつけ悪しきにつけ、日本では普通のことだと思われるのではないだろうか。しかしこれが普通に思えるのは、日本に「職能」という等級が根付いてきたからだ(もし自社は違うな、と感じられた方は、以下の2ケースが近いはずだ)。

戦後の「年功・職階」等級であれば、頑張りや能力と給与は関係ない。長く在籍していれば給与は上がるし、「昇進」して課長や部長になれる。

欧米で普及した「職務」等級であれば、能力は必要であるものの、重要なのは担っている「職務」だ。例えば経理課長、といったピンポイントでの職務を担うことができるかどうかで、給与が決まる。頑張りは関係ないし、同じ職務グレードに長く滞留していることはむしろマイナスに捉えられる。

 

職能資格の理念

楠田丘の提唱した「職能資格制度」は1970年代から今日まで、四半世紀以上にわたって日本の人材マネジメントを支える土台として位置づけられてきた。

人間の成長の側に視点を置く、人間基準に基づく制度であること」を基本的な理念としているといわれている。

「社員に対して雇用を保障し、そのために生涯を通じて能力開発を重視し、会社は開発された能力を活かすように配置し、その能力に基づいて格付けと処遇を決める」という能力開発主義の考え方が強調されている。

下図のRMS Researchの調査からも、2016年時点でまだ多くの企業が職能を使っていることがわかる。

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等級の種類

その特徴は3つ。
1.ポスト不足に対応した「昇進と昇格の分離
2.一体感と能力開発意欲の喚起を狙った「全社一律の能力評価
3.終身雇用を前提とした「積み上げ卒業方式の昇格

次回、詳しく見ていこう。

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テーマ2.等級

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