人材マネジメントをひとつの図で「体系的」に捉える

人材マネジメントの体系

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トータル人事システム

人材マネジメント(HRM)は、社内外の環境に適応したコンセプトを持ち、施策間が一貫していることが重要だが、釘崎広光『トータル人事システムハンドブック』では、HRMをトータルシステムとして、その整合性を説明している。

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トータルシステムとしてのHRM(釘崎広光『トータル人事システムハンドブック』を元に一部修正して作成)

当書によれば、人事システムを構成するサブシステム(賃金制度など)とその構成要素であるモジュール(賞与など)同士は、設計思想によって、有機的な繋がりをもった機能となる。

設計思想とは、前出の社内外環境に適応したコンセプトにあたる。たとえば年功主義能力開発主義、加点主義、実力主義、成果主義、温情主義などのことを言う。 また、論理性の重視や公正性の重視、親和性の重視、主体性の重視といったことも含まれる。

設計思想は企業文化および人事戦略から導かれるが、その設計思想に基づいたモジュールの組み立てがなされることでサブ・システム間には内的な一貫性が保たれ、人事システムは経営戦略を支えるものとなり企業経営の目的に向かうものとなるのだ。

 

 

人材マネジメントを体系的に理解する

この壺中天では人材マネジメントを下図の体系で捉えている。前出の『トータル人事システムハンドブック』をベースに、私が人事やコンサルタントとしての経験から8年かけてブラッシュアップしたものだ。この図が頭に入っていると、各領域の理解度が格段にあがると思う。

テーマごとの領域とそのつながりを簡単にご説明しよう。

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人材マネジメントの体系

テーマ2.等級

等級とは、社員の序列・ランキングの基準であり、処遇の根拠となるものである。前出のコンセプト、設計思想を具現化したものが等級だ。

 

テーマ3.評価

評価は「やってもやらなくても同じ」という悪平等をなくすものだ。等級に応じた評価を行い、評価結果によって等級を決定(昇格・降格)する。

テーマ4.報酬

報酬とは働くことによって得られるものすべてだ。内的報酬は満足を生み、外的報酬は不満をおさえる等級によって報酬の水準が設定され、評価によって実際の報酬が決定される。

テーマ5.リソースフロー

リソースフローとは、採用、異動配置、代謝といった人材が入社してから退職するまでの一連の流れである。

採用要件は等級に紐付けて設定する。異動配置では評価情報をもとに適材適所が検討される。代謝もまた評価情報によって決定される。

テーマ6.人材開発

人材開発とは、ビジョンや戦略達成に必要な人材を育てること、そしてビジョンや戦略を生み出す人材を輩出することである。人材開発を目的として異動配置を行うことも多い(計画的ローテーション)。

テーマ7.組織開発

人材開発は一人ひとりの「人」に働きかけるものだが、組織開発は人と人の間にある「人間」に働きかけるもの

 

次回からはテーマ2「等級」について考えていきたい。

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テーマ1.HRM